ボードゲーム 2012年
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2012年
皇帝年間ゲーム大賞 「フレスコ」 原題:Fresco
選考理由:
絵の具による壁画の修復というテーマにゲームシステムが見事に合致した作品。ワーカー配置による原色絵の具の購入、混合による新たな色の作成という基本ルールであれば子供にも遊ばせられるし、特殊カードや2段階混合といった上級ルールも加えれば、大人のヘビーゲームとしても楽しめる適応範囲の広さが受賞の決め手となった。
初期壁画タイル配置や絵の具屋の品揃えなどのランダム要素があるため、戦略が固定化されることもなく繰り返しプレイに耐えうる。得点は馬跳び方式のため後追いが有利な面があり、逆転が頻繁に起こる展開も楽しい。
最終ノミネート 「理性の時代」 原題:Zeitalter der Vernunft
選考理由:
NPCを含めて7人で大航海時代の覇を競うマルチプレイヤーシミュレーション。毎ターン2陣営に同盟が分かれるフェーズがあり、これが最大の特徴にして最大のキモ。同盟国同士では戦闘は禁止なので、ここで金を払うか戦闘を覚悟するかの2択を迫られる。4人プレイの場合、プレイヤー3名が結託する(あるいは誰かが身銭を切って仕事をする)と、1人はあぶれてNPC陣営にまわされ、トップ包囲網といった展開が期待される。
戦闘はダイス目とは言え、2D6の差分を使う方式なので思ったより差が出ず、それでいて運によっては悲劇が起こるというなかなか絶妙なバランスに仕上がっている。本来多人数を必要とするマルチを、4人でもがっつり楽しめるようにした名作。
2012年皇帝年間ゲーム大賞 選考過程
[ノミネート作品](5点満点評価中5点、この中から大賞が選出される)
理性の時代(ボード) 5
最終ノミネート。
フレスコ(ボード) 5
大賞受賞。
Sid Meier's Civilization(ボード) 5
PC版の名作、Civilization4を忠実にボード化した作品。原作ありのボード化は大体失敗するのがオチだが、これはかなりうまくできている方。宗教を除いて大体の要素は盛り込んであり、ボードゲームとしてはてんこ盛りの複雑さ。
軍隊とストックとを独立させて、ジャンケン制の先制攻撃がある戦闘システムはなかなか面白い試みだが、それ以外に関しては同じゲームを下敷きにしている(と思われる)スルーザエイジ(ボード)と比べると、要素が多すぎて洗練できてないのが目に付く。これだけマップが狭いと軍事路線が明らかに有利なのもちょっと。
マンハッタンプロジェクト(ボード) 5
核爆弾を開発するという、このご時勢日本では刺されそうな不謹慎なテーマ。イロモノかと思いきや、システムはしっかりとしたワーカープレースメント。メインボードは全員で取り合いだが、自分のエリアには建物をいくつでも作れるので、序盤は建築が中心の拡大再生産。
メインはイエローケーキを発掘してウランやプルトニウムを精製するのだが、他にもスパイで他人の工場を使ったり、戦闘機を量産し制空権を握ったり、爆撃機で他人の工場を破壊したりと要素は盛りだくさん。次回こそはもっとうまくれやそうな気がしてくる時点できっと名作なのだろう。
[その他今年初めてプレイした作品](大賞の選考外、数字は5点満点評価)
どうぶつしょうぎ(ボード) 3
将棋を3x5マスというとてつもなく狭い空間に簡略化した普及用。ルールの把握という点では確かに敷居は低くなったが、狭いゆえに最後まで読み切るだけの戦略眼を要求するため、案外子供には難しいかも。
ホテルサモア(ボード) 3
観光客を奪い合うホテル経営。高額者が勝つ施設の競り落としと、低額者が勝つ宿泊費のダンピングを1枚のカードで同時に行うシステムが意欲的。金=VPなので拡大再生産ではまったくない点に留意しないと、熱心に施設改善に取り組むと原価割れすらありうる。
ケミストリークエスト(カード) 1
小6の子が考案して、自ら会社を設立して社長となって生産したという話題の作品だが、ゲーム性が低すぎて、パズル仕立てのソロゲームにした方がまし。教材にしてはゲームっぽいという程度。小6じゃあボードゲームデザインは10年早いだろう小僧。
BIOSメガファウナ(ボード) 3
古代アメリカ大陸で動物達が覇権を競う。マスには植物が生えていて、それを食べる草食生物、それを食べる肉食動物と連鎖が組まれるようになっている。しかしカードを引くと補充がてらイベントが発生し、ちょくちょく環境が変わるため、進化どころか生き延びるのもひと苦労。色々細かいところまでよく再現してる作品だとは思うが、むしろそれがゲーム性を損なう方向に行ってる気がする。
北極圏2019(ボード) 4
北極圏の資源採掘権を競う企業が関係諸国にロビー活動を繰り広げる、かなりガチンコな陣取り&ワーカー配置ゲーム。うかつにトップに立つとすぐ袋叩きに遭う強烈なトップ逆風タイプ。コマの色が茶色系の暗色が多すぎて非常に識別しづらいことで大損してると思う。
バルバロッサ(粘土) 3
世にも珍しい粘土ゲーム。適当なお題を考えて形作り、他プレイヤーはいくつか質問をして答えを絞ってゆく。得点システムは早く当たっても遅く当たっても点が低いのが特徴的で、お題の難易度調整が要求される。ただサイコロを振って1周6マスのスゴロクをやるのがかなりうっとおしい。だいぶゲームのテンポを悪くしているので、いっそ毎回質問コーナーにしてしまった方がいいかも。
ビール侯爵(ボード) 3
最近流行のデッキ構築ゲーム、ドミニオン(カード)に触発されたらしく、それにプエルトリコ(ボード)の要素を混ぜてみたという感じのフリードマン・フリーゼ氏のデザイン作品。基本的に生産して売却してその金で建物を建てる、というだけのシンプルなゲーム。それも売る先の会社は人数分用意されるし、建物は各自28枚のデッキがあるしで、多人数ソロ感強し。
心臓発作(ボード) 3
パーティゲーム。バカゲーではあるが、この歳になると成人病を扱ったこのテーマがなんとも身につまされる。仕事をすれば金は入るが鬱になり、薬を買えば血圧や血糖値は下げられるが金が減る。隣人からはホームパーティーに呼ばれて体に悪いものを食わされるし、毎ターンイベントが起きては何らかの体調不良を押し付けられる。どうやっても長くは生きられないこの世の中を、いかに最後まで生き延びるかというサバイバル。テーマ選定が抜群ではあるが、バカゲー。
クラウド9(ボード) 1
気球に乗って、順番にパイロットを勤め上げるのだが、パイロットはダイスを振って該当するカードを出せれば上昇、さもなくば墜落。パイロットが振る前に、乗客は乗るか下りるかを選択できる。降りればその高度に応じた点数獲得。一種のブラフ系ではあるが、あまりに盛り上がりに欠ける内容。
ウィングオブウォー(カード) 1
テーブル上に戦闘機カードを置いて、移動カードの通り実際に動かして射程チェックをするというウォーゲームっぽい作品。広いスペースを要求するので欧米向き。ダメージカードを引いたら、相手は1ダメージで、自分は即墜落カードで負けた。なんだこのクソゲー。
街コロ(カード) 2
ダイスが出た目の建物を持っていたら収入、その収入で建物を建設という単純なルールの拡大再生産ゲーム。結局ダイス目なので、子供とわいわいやるパーティーゲーム。
ジョジョストレーション(ボード) 4
厳密には独立した作品ではなく、要はテレストレーション(ボード)を使ってジョジョの奇妙な冒険をネタにするだけである。ジョジョ芸人を集めてプレイすれば盛り上がること間違いなし。まあゲームが優れてるわけではなく、同好の士が集まればという当たり前の話なので番外編。
パレロワイヤル(ボード) 4
ワーカー配置ゲーム。配置エリアは9枚のタイルを組み合わせて作るため、展開は毎回ランダム。ワーカーから得た資源を使って貴族をボードから取っていく逆陣取り。内容は割といいのだが、システムと背景が合ってない点からノミネート落ち。
白蓮(ボード) 4
ワレスデザインの中国大陸の陣取りで、影響カードを使って戦う辺りがタージマハール(ボード)を彷彿とさせるが、特徴的なのは予選の存在。複数プレイヤーによる争奪の場合、まず攻撃対象のプレイヤーと影響カードを同時にプロットする。これにより一番被ダメージが多いプレイヤーが脱落。人数が減ったところで、再度またプロット。同じ手法で最後の1人になってやっと勝利する。
予選は相手になるべく仕事をさせたり、それでいて決勝は全力勝負に走ったりという駆け引きが面白いと言えば面白いが、根がケチなので節約したことに喜びを求めてしまい、全く勝てる気がしないタイプのゲーム。あと役職名がハンドル名とかぶるんでめんどくさい点がマイナスとなりノミネート落ち。
エアロプレーン(ボード) 4
航空産業黎明期における乗客争いを背景としたワレス作品。借金ゲームかと思いきや、意外とそうでもなかった。アクション選択による陣取りが基本だが、VPに絡むのはそれ以外に乗客運搬実績もあり、主にヨーロッパ作戦とアジア・アフリカ方面作戦に分かれる感じ。航路開拓はダイスゲームだったり、乗客は金にならず直接VPだったり、飛行機や乗客によるシークレットVPがあったりと、ちょっと気になる点が積もり、いい作品ながらノミネート落ち。
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