選挙に行かない者に告ぐ




序文

 2003年11月に総選挙が行われたが、その投票率は60%弱だったという。選挙権を持ちながら行使しなかった者が4割もいるということである。嘆かわしい。かねてから選挙に行かない連中を苦々しく思っていたのだが、今日という今日は言わせて頂こう。


行くのがめんどくさいだあ?

 こう言ってはなから行く気のない連中がいる。己に政権の行方を決める権利が備わっていることを自覚せず、市民の義務かなにかと勘違いしているのである。そりゃ権利だから使っても使わなくてもいいんだが、何かしらの思想があって使わないならともかく、めんどくさいとは何だ。つまり現状の暮らしに最高に満足しているのか?それなら現政権の基盤を磐石にするために投票しろ。近所の学校あたりに行ってちょろちょろと数文字走り書きするだけの話である。時間にして30分もあればお釣りがくる。満足してない?じゃあ現政権を転覆させるために投票しろ。

 最も性質の悪いのは、誰にいれればいいのか分からないという奴である。調べる気力もないのか。インターネットがこれだけの普及率を見せて、世の中調べて分からないことはないとまで言われる時代になっても調べないのか。そういう奴は、もはや世の中に対して文句を言う権利も一緒に捨てろ。一切その資格を持たない。文句を言うという行為は、何かしらその不満に対する対案を出すなり、それに向かって努力をしている者がすることである。

 大体国民選挙などという政権側から見れば果てしなくめんどくさいシステムがまだ残っていることに感謝すべきである。独裁政権化では国家元首を変える可能性のあるこんな行為は許されてないし、日本でもこの制度ができたのは割と最近。その昔は政権に意見を具申するには、家老の地位まで登ってから陰腹を切って直言するか、大名行列に飛び出て直訴状を持って切り捨てられるしかなかったのである。近所に出かけて鼻歌歌いつつ30分で終わることを幸せに思え。


1票入れたって世の中変わらないだあ?

 こういう意見もよく耳にする。しかし現在の日本の選挙権は、一人1票と決まっている。1票入れたって仕方が無いのなら、仕方がある投票者などいないのである。1票がいくつ入ったかを競うゲームなのだから、1票で勝負する以外に方法はない。それとも何か。こういうことを言う奴は、自分の1票で行方が決まる状況になって、うやうやしく自分のところにお伺いを立てに来るまでは動く気がないのか。あほ。一生来る訳ないだろそんな状況。あってもおまえのところには伺いに行かない。

 もしお伺いに来て欲しいのなら、それなりの価値を持つ必要がある。被選挙者が腰を低くしてお伺いを立てに行くのは、複数の票を動員できる力を持つ者のところである。選挙期間と体力とコストが限定される以上、理論的にそれが最も効率がいいからである。複数の票を持つというのは、権力なり暴力なりその他何らかの力によって、他者の選挙権の行使先を左右できるということであり、本来自分自身の意見により決めるべき行使先を捻じ曲げるだけのその力は、敬意を払うに値すると言っていい。

 ではそういう力を持たない一般人はどうするのか。簡単なことである。分相応に自分自身の持つ1票だけを行使すればいい。1票がすぐ何かを変える訳ではない。だがその1票を使わず投票率が下がれば、既存勢力の価値は相対的に上がるだけである。こういう話がある。とある村の祭りで、みんなでワインを1杯ずつ持ち寄って樽に集めてから、みんなで分け合って飲もうという企画が持ち上がった。そしてみんなの持ち寄ったものを集めて樽から出てきたのは、純度の高い水であった。誰かがやるだろうとみんなが思うと、誰もワインなど持ってきやしないのである。

 そして注目すべきは現在の投票率の低さ。全体の6割の中で分捕り合いをしているのである。その中で半数を握ったとして3割。無党派層と言われる投票してない連中4割にも満たない少数で政権を決めていることになる。茶番である。4割の連中が結託して、例えばネットアイドルを当選させようと思えば、理論上可能なのである。その力を、なぜ自分の望む方向に使わないのであろうか。全く理解に苦しむ話である。


投票するに値する者がいないだあ?

 まあその意見は分からないでもないが、だからと言って投票しないままではそのメッセージは誰にも伝わらない。立候補者全員にどいつもこいつもぼんくらだと言いたいのであれば、以下のいずれかによりその意志を伝えてこそ、選挙という一般市民がモノを言える貴重な場を生かすことである。

1)白紙投票
 1位当選より白紙が多い状況であれば、さすがにぼんくらな連中でも、自分達がまるで支持されてないことに気付くであろう。

2)傀儡を立てる
 お気に入りの候補がいないのであれば、作ればいい。そんなマンガが現在連載もされている。2ch辺りで盛り上がれば結構いけるかも。

3)自分で立候補
 最もストレートで簡単な手である。資格は25歳以上であること。街頭に立ってマイクで言いたいことを言えばいい。ストレスも解消されるし、調子のいいマニフェストを出せばまかり間違って当選するかも。

4)余に入れる
 今のところ予定はないが、立候補した暁にはよろしく。




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