トゥデイ>皇帝のお盆の巻


目次に戻る

 8月15日の事。余は中身の減った冷蔵庫を補充しに、手ごわいともっぱらの評判である、あの独房親父どもが活躍するみのり商店街へと出かけたのであった。


 道はガラガラに空いており、余は愛チャリ「ドレクサード四世」を駆って買い物の内容に思いを巡らした。

 ふーむ、何を買ったものか。だいたい今日も仕事、明日も仕事。当分休みは貰えないとは新入社員とはつらいものよのう。余が帝国を打ち立てた日には人民にここまでつらい思いはさせるまい。そして後世の歴史家曰く慈愛に満ちた名君・・・・うむ、良い響きだ。よし、いくぞドレクサード四世、今日の道路はおまえの天下だ、うわーっはっはっ。


 ・・・・そして3分後、みのり商店街全体が14から16日まで休みだと判明したのであった。むむ、まるで示し合わせたが如く一斉に休むとは、この皇帝に対する挑戦に違いあるまい。けしからん連中だ、独房の数は大幅に増やす必要がありそうだ。

 ふと、いつもコロッケを買うなじみの肉屋の張り紙に、「お盆休みで・・・・」とあったのを見て、ついにカラクリは解けたのであった。

お盆。

 そう、それは日本古来から伝わる、かのツタンカーメンですら休んだと言われる絶対の休暇。なのに余の勤める会社はちっとも休もうとはしない。平常通り働いているから分からない訳だ。くっ、なんたる事だ、皆グルであったとは。

 ・・・・・・・・それにしても今日と明日の食事どうしよう。それが余の胸に残った最大の問題点であった。


本日の教訓:勝負師たるもの、盆くらいは休むべし

(94/ 8/16)


目次に戻る
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送