人生を変えたゲームたち

その6 天下統一(PC98)

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 大学に入って、念願の1人暮らしが始まる。夕方に部屋につき、何もない部屋に布団を敷いて寝て、翌日起きて最初にやったことは、大学生協に行ってPC9801本体を買うことであった。厳密に言うと、当時流行したEPSONの互換機。金額は今でも忘れない、18万5400円なり。

 事前に用意しといたソフトで遊んでいるだけで大学1年は終わってしまった。最初に友人をあまり作れず、授業が終わったら部屋に帰ってポピュラス(PC98)をやる、ぼっちな日々だった。ぼっち過ぎて、1000面全部クリアしてしまった。まあクリア得点に応じて5面ぐらい飛ぶんで、ほんとに1000回やったわけじゃないけど。

 ファンタジーナイト(PC98)も存分にできるようになったのはいいが、あれは1人でCOM相手にやっててもやがて空しくなるだけで、さて何かないかと物色したのが天下統一(PC98)。またもやシステムソフト。あの当時は出すゲーム全部当たりだったのう。今や見る影もないけど。


 天下統一は同じ戦国シミュレーションの信長の野望と比較されるけど、マニアに言わせるとだいぶ違う。確かに武将単位のアプローチは、信長も3作目から採用しているので同じ。占領単位が城であるのも、信長が何作目からかマネし出した気がする。まあ一番違うのは、ひとりひとり武将絵を用意する信長に比べて、天下統一は全くグラフィックを出さない、すがすがしいまでに無骨なシミュレーションにしたところか。

 これだけ書くと完全劣化版のようだが、天下統一最大の魅力はAIの強さにある。AI率いる勢力が巨大化していって、やがて他の勢力を併呑していって天下統一していくのである。信長の野望は何作経ってもこれが実現できず、ひとつ城を取ったらあとは統一するまでやること一緒などと揶揄される。

 天下統一はこのAIの強さが小憎らしいほどで、初心者の頃はちょっと手間取ると東日本制覇してる最中に西日本を統一し終えた島津家辺りが攻め込んできて、関が原すら突破されとるという苦戦を強いられることも。

 このゲームをやってる内に必然的に武将の名前を覚えることになり、ふと自宅にあった親父の歴史読本とか開くと、知ってる名前だらけ。うおなにこいつこんなエピソードあるんか、と武将グラフィックひとつない分そういう背景に飢えていて、もうそこから戦国マニアになるまで時間はかからなかった。


 このゲームはWindows版で復刻もされたので、今でも遊んでる。


<人生の変化ポイント>
・戦国マニア化

(2015年07月06日)

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