人生を変えたゲームたち

その9(後編) Magic:The Gathering(カード)

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 プレイヤーとしてはもはや目立つシーンもなく、以後ずるずると相対的に弱くなって一般市民に埋もれることに。Goblinデッキ以降作った、自分らしいオリジナルデッキとしてはTriskelionデッキぐらいだろうか。正式な召還をせず、墓場に捨てたものを操るネクロマンサーらしいプレイイングが楽しかった。殺されたら、改めてまた墓場から操る。相手の嫌がる顔を見るのが楽しかった。


 さて、あとはこのゲームを通じて関わった人々の話でもしようと思う。師匠筋のむろふう(仮名)は既に語ったが、こんな面白いゲームを知った以上、拡散せずにはいられない。ただでさえ私には伝導師スキルがあり、大学時代に誰もパソコンを持っていなかった下宿メンバーにせっせとPCゲームの楽しさを伝えた結果、卒業時には同期7名中6名がPCを買っていたという実績も。

 最初の弟子は、もちろんぽちょむきんすたー(仮名)である。ただ距離的に遠く、またむこうではまだ流通していないとのことだったので、まずはギフトセットなるスターター2箱が入ったバージョンを試しに買って送ることに。ただ、最初にこれを買ってしか小屋で遊んで、帰るときに忘れてビニール袋ごと家主に捨てられるという事件があり、同じものを2回買わざるを得ない羽目になった苦い思い出が。

 同じ思考と嗜好を持つぽちょむきんすたー(仮名)がこれにハマらないはずもなく、しかも東京で開催される各種大会に毎回参加するための上京費用も加えると、確実に私以上に出費しているはず。まあ大会では常に優勝を争うほどの強豪になったようなので、本望だったのではないだろうか。

 他にも数知れず布教したが、覚えているところでは伊政(仮名)。当時まだ学生だった彼を寮に呼んで、いらなくなったコモンカードの山を押し付けたところ、これまたどっぷりとはまったらしい。現在ボードゲーム会をやるときの常任メンバーとの縁はこんなところから発している。


 それからこんふりくと(仮名)に布教し、そこから布教された孫弟子の銀无鬼(仮名)を外すわけにはいかない。しか小屋がやや遠く、代々木のマクドナルドも出禁になり、もっと立地のいいプレイ場所はないかと漁るGMCメンバー。その前にさっそうと現れ、自宅のガレージの2階が地域の集会所となっているが、そこを提供してくれるように。早速銀ガレとか勝手な略称をつけ、GMCメンバーのたまり場となる。

 そのうち彼はめえめえ(仮名)の精神的後継者となり、個人輸入代行も行うようになり、プレイ場所とカード自体が賄えてはかどるのなんのって。メンバーの喜びっぷりに味を占めた銀无鬼(仮名)は、やがてそれを生業としてカード屋を開くに至る。今も絶賛営業中。


 その後結婚してからも、子供が大きくなったらひょっとしたら遊ぶかもしれないとカード資産は保管していたが、2人とも女の子で、どうも遊びそうにないことが判明。透明なカードケースに入れていて、アルファベット順にきれいに並べていたら、最初に来るカードがAbominationというゾンビ。これが常に寝室で夫婦を見つめる形で置いてたものだから、妃が嫌がるのなんのって。これがきっかけで、カード資産を手放すことになり、手を挙げたムラカミ(仮名)に活用してもらうべくダンボール箱ごと送りつけ、私のMTG人生は終わりを告げた。

 購入金額は数百万だとしても、買い取りに出したら1/100ぐらいだろうか。特に私はカードスリーブを使わずにプレイする派だったため、状態も悪いだろうし。そのままカードをプレイしたら傷むのを恐れて、購入したらすぐスリーブをつけるというマナーが蔓延した辺りから、なにかぬぐいきれない違和感を覚えて一気に熱が醒めた。転売するために買ってんのかよ。


 ムラカミ(仮名)も二児の父となっているので、多分活用どころではないのではなかろうか。王子殿下が年頃になったなら、是非取り出して欲しい。あのNACの血を吸ったGoblin Grenadeなんだよ、と言い聞かせてやってくれ。そのためにはNACにもいつまでも子供たちのヒーローでいてもらわないといかんけど。


<人生の変化ポイント>
・人生最大の熱中(と浪費)
・関わったメンバーとの関係深化
・一部の人の人生変えちゃってるかも

(2015年07月21日)

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