MTGガッデム大会記 第3回 居城杯

(2000/7/27〜7/29)

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7/27(木)
 第2回でぼろぼろに負けて、悔しいのでさらにJIUも交えて4人ドラフトを開始。Tuftにサーバをやらせるとエラーが頻発するので、私が代わってUrsa's Saga、Alliance、Weatherlightというセットを使う。
 いきなり初手からSkittering Skirge(*1)で黒の意思を固める。実はこの時点で隣のTuftが「うわ2枚も黒除去があって止め切れない」と宣言していたことも黒に傾く要因の一つ。宣言通り、Befoul(*2)とExpunge(*3)の2枚が流れてきて、激しく悩むが前者を取る。恐らく次席のJIUもおこぼれで黒を志していることであろう。Dark Ritual(*4)やSpinning Darkness(*5)など、一度逃したものが戻ってこないところからほぼ間違いないと思われる。更に言えば、もう一人サブで黒を使っている奴もいるっぽい。
 USでは黒しか入手できず、補助色が絞れなかったが、ALでGorilla Berserkers(*6)やElvish Bard(*7)が2体、WLでLiege of the Hollows(*8)などの生物や、なぜかみんなが敬遠して取らないChoking Vines(*9)を3枚も取得して黒緑に。
 大型生物だらけな割に、どれも何らかのデメリットを持つという弱点はあるが、それでも黒の除去、及びShattered Crypt(*10)とStrands of Night(*11)という復活させる手段があるので、質/量で圧倒する予定である。

 とりあえず対戦は明日に回す予定だったが、このデッキを試したくてomasuと夜更けの対戦へ。

対戦成績:
対omasu戦 青赤
第1戦 ×
 いきなりHidden Horror(*12)を出してびびらせるが、無情にもArcane Denial(*13)によりカウンターされる。1枚捨てた分の生物も含めると、損害は甚大。まあしかしこちらは大型生物がまだいるのだからと気を取り直したところに、Soldevi Steam Beast(*14)登場。4/2Regenerateは困り者で、さすがにうちの大型生物でもタフネス5以上はいない。何を出しても倒せる状態で、しかも雑魚がいないのでブロッカー不在。Steam Beast自身の敵を回復させてしまう能力と、Choking Vinesで辛うじて防ぐものの、敵のペプシメンことSoldevi Sentry(*15)相手になかなか攻め切れない。結局最後は敵の最終兵器と思われるThunderbolt(*16)に撃たれて死亡。ガッデム

註:カード詳細
*1 Skittering Skirge US-C BB Summon Imp 3/2
Flying. When you successfully cast a creature spell, sacrifice Skittering Skirge.
 黒の速攻生物としてかなり強力な性能を持つ。3/2Flyingが2ターン目に出ては、そのまま7回殴られることも覚悟するほどである。ただ次の生物を召還すると死ぬというデメリットをよく忘れて、犬死させるのは実に勿体ないことである。

*2 Befoul US-C 2BB Sorcery
Destroy target land or nonblack creature. A creature destroyed this way cannot be regenerated this turn.
 黒の除去。Sorceryではあるが、Artifact Creatureをも葬れるカードというのはそうそう多くはないので、かなり貴重な存在である。

*3 Expunge US-C 1BB Instant
Destroy target nonartifact, nonblack creature. That creature cannot be regenerated this turn. Cycling 2.
 黒の除去。Befoulとの相違点はコストが1安いこと、Artifact Creatureを除去できないこと、Instantであること、Cyclingがついていること。これをCyclingするような勿体ない話はまずないが、コストとInstantである点は有利である。構築ならこっちを選ぶ気はするが、ドラフトだと私はBefoulを取る。

*4 Dark Ritual US-C B Mana Source
Add BBB to your mana pool.
 初期セットからずっと黒の代名詞として君臨してきた、あまりにも有名なマナブースト呪文。これを4枚入れるのが黒デッキの常識である。そのあまりの強力さに、Type2ルールでは禁止カードになってしまったほどである。ドラフトではそこまでの劇的な強さはないが、それでも相手の予想外のところからマナが出ることは軽視できない利点である。

*5 Spinning Darkness WL-C 4BB Instant
You may remove the top three black cards in your graveyard from the game instead of paying Spinning Darkness's casting cost. Spinning Darkness deals 3 damage to target nonblack creature. Gain 3 life.
 WLの黒ピッチドレイン呪文。3点ダメージで3点ライフというのがクセモノで、意外にこのライフが接戦で物を言う。墓場を再利用する機会の少ないドラフトではピッチで打つことを念頭におけるので、かなり便利である。

*6 Gorilla Berserkers AL-C 3GG Summon Gorillas 2/3
Trample, rampage: 2 Cannot be blocked by fewer than three creatures.
 3匹以上いないとブロックできないのに、3匹でブロックするとrampageにより+4/+4でTrampleまでついているという、実質ブロックされない生物。コストを考えれば妥当なところではある。

*7 Elvish Bard AL-C 3GG Summon Elf 2/4
All creatures able to block Elvish Bard do so.If this forces a creature to block more attackers than allowed, defending player assigns that creature to block as many of those attackers as allowed.
 敵にブロックを強制させる生物。つまりこいつと一緒に攻めた生物はブロックされないということであり、これが意外に勝負を決める能力になる。ただコストの重さには閉口する。

*8 Liege of the Hollows AL-R 2GG Summon Spirit 3/4
If Liege of the Hollows is put into any graveyard from play, each player may pay any amount of mana to put that number of Squirrel tokens into play under his or her control.Treat those tokens as 1/1 green creatures.
 死ぬと全プレイヤーがマナを払って1/1トークン生物を出す権利が生ずる。膨大なマナが出るドラフトでは、使用法によっては戦況を変える、戦略的生物。生きている間もそれなりに役に立つ性能。

*9 Choking Vines WL-C XG Instant
Play only when blockers are declared. X target attacking creatures are considered blocked. Choking Vines deals 1 damage to each of those creatures.
 WLの優秀な防御カード。敵の攻撃をX体ブロックできるだけでも大きいが、更に1ダメージを与えることで逆に倒すことさえ可能である。とりあえず手札に持っておくと安心できる。

*10 Shattered Crypt WL-C XGG Sorcery
Return X target creature cards from your graveyard to your hand and lose X life.
 死んだ生物をX枚手札に戻す黒呪文。Xライフ払う辺りが黒だが、ドラフトにおいて生物がX枚戻ってくる意味は大きい。ただ今回のドラフトでは生物もいないのにこいつが初手からずうずうしく居座る事が多かった。ガッデム

*11 Strands of Night WL-U 2BB Enchantment
BB, Pay 2 life, Sacrifice a swamp: Put target creature card from your graveyard into play.
 こちらは死んだ生物をいきなり場に戻すEnchant。効果が強力で、しかも繰り返し使えるためにコストは2ライフと沼という高めに設定されている。これまた初手から居座って、生物もいないのに2枚の生物復活カードを持つ試合が複数回あった。ガッデム

*12 Hidden Horror WL-U 1BB Summon Undead 4/4
When Hidden Horror comes into play, choose and discard a creature card or bury Hidden Horror.
 召還時のデメリットはあるものの、一度出れば維持費が要らないので意外に使い勝手の良い生物。黒の4/4を倒す手段というのが非常に限られるので、ドラフトではよほどのことがない限り死なない。これを粗末に扱った私はよほどのプレイヤーらしい。ガッデム

*13 Arcane Denial AL-C 1U Interrupt
Counter target spell. That spell's caster may draw up to two cards at the beginning of the next turn's upkeep. Draw a card at the beginning of the next turn's upkeep.
 ALの軽いカウンターとして有名。相手に2枚引かせる権利を与えるとは言え、カウンターとしては破格の安さが重宝する。

*14 Soldevi Steam Beast AL-C 5 Artifact Creature 4/2
Whenever Soldevi Steam Beast becomes tapped, target opponent gains 2 life. 2: Regenerate.
 Tすると敵に2ライフを与えるので、実質攻撃力は2なのだが、パワーが4でRegenerationするのだから生物戦ではまず負けない。ブロッカーとしても強力だが、下手にRegeneを重ねると相手のライフばかり増えることになる。味方にすると今一つ使いにくいが、敵に回すと非常に厄介。

*15 Soldevi Sentry AL-C 1 Artifact Creature 1/1
1: Regenerate. Target opponent may draw a card.
 絵柄から通称ペプシメンと呼ばれる。これもまたRegeneするので、ブロッカーとして優秀である。しかも相手にカードを引かせるのは、ドラフトではライブラリアウトさせるという戦略的要素も持っている。

*16 Thunderbolt WL-C 1R Instant
Thunderbolt deals 3 damage to target player or 4 damage to target creature with flying.
 WLの赤ダメージ呪文。対象がプレイヤーかFlying生物に限られるのが難点だが、コストの割に3〜4点というのはかなりの高効率である。


7/28(金)
 昨日の悔しさを晴らすべく、omasuに引き続き挑戦。そして続いて現役MTGプレイヤーのTuftとの対戦。

対戦成績:
対omasu戦 青赤
第2戦 ○
 相手の序盤の小型生物をChoking Vinesで撃退し、大型生物で殴りに行く。またSoldevi Steam Beastで苦戦するものの、Duress(*1)で敵の最終兵器Thunderboltを捨てさせた分、計算できる生物戦を制して辛くも勝利。

第3戦 ×
 敵の手が遅いという幸運に恵まれながらも、手札の引きはそれを打ち消すに十分。Steel Golem(*2)という厄介な生物でしばらく時間を稼がざるを得ない苦しさ。大型生物ばかりだが、同時に注文の多い生物ばかりでもある。並べることができない生物が多いので、結局のところ生物戦になっても総合力で劣ることが多い。「召還できない」制限をStrands of the Nightでくぐり抜けるなど涙ぐましい努力も、最後のSkittering Skirgeを先に召還するというミスと、敵のThunderboltによりあっさりと崩されて敗北。ガッデム

対Tuft戦 黒青赤
第1戦 ×
 どうやら流れた黒を拾ったのはTuftらしい。初手で黒除去2枚をそのまま流した奴が黒をやっているというのも不思議な話だが、それはつまりそれをも上回る価値のカードを取っているということである。
 Hidden HorrorやWire Cat(*3)を並べて攻めたてるが、Abyssal Gatekeeper(*4)とBlood Vassal(*5)にCatをブロックされ、その結果によりHorrorまで失うという雑なプレイにより、一気に運勢が衰退する。いくらでも大型生物がいるからいいやという驕りが、最終的にメインダメージがParasitic Bond(*6)頼りという情けない事態を生み、それでももう1ターン粘れば勝てるという状態にまで持ち込むが、コストGGを払うのに森が来れば、というところで引けずに敗北。ガッデム

第2戦 ×
 序盤からSkittering Skirgeでぶいぶい言わすが、何しろこの生物、他に生物を並べると死ぬので、単体で攻めざるを得ない。その内敵の数が増えてくると殴り合いでも不利となり、早めに次の生物群を並べ始める決断をする。だが飛行とそうでない生物とではダメージの与えられる確率がてんで違うので、結果的にこれが試合の硬直を生む。生物単体の性能でなんとかまた接戦に持ち込み、最後にあと2点与えれば勝ち、さもなくば死ぬ、というところで森を引く。死ぬ。ガッデム。どうもSkirgeをもっと粘らせて良かったような気がする。

 どうやら注文の多い大型生物のみというドラフトに問題があったことが判明する。しかも2手目で喜び勇んで取ったBefoulが実はSorceryだったことに気付き、てっきりInstantと勘違いしていたことにこっそり赤面する。雑なプレイやプレイミスなど、よくもまあここまで弱くなったものだと感心するくらい初心者な状態である。満足いくデッキで連敗という結果が、事態の深刻さを物語る。現役復帰は遠い。

註:カード詳細
*1 Duress US-C B Instant
Look at target opponent's hand and choose a noncreature, nonland card there. That player discards that card.
 初手で使える黒の捨て捨て呪文。敵の手を見ることができる上に、土地と生物以外の好きなカードを捨てさせられる。うまいこと敵の戦略呪文を捨てさせることができれば効果大だが、外れでも最低敵の手は見られる。好カード。

*2 Steel Golem WL-U 3 Artifact Creature 3/4
You cannot play summon or artifact creature spells.
 3マナで3/4というおいしい性能には訳があって、これを出すと以後の召還呪文が使えない。早めに出して、暴れて貰って死んで貰わないと、結局後々困ることになる。時間稼ぎに使う分にはいいが、いざ稼いだ後も自分の首を絞めてくれる。今回の使いにくい生物御三家筆頭。

*3 Wire Cat US-U 4 Artifact Creature 4/3
Wirecat cannot attack or block if an enchantment is in play.
 無色4マナ4/3はなかなかだが、Enchantmentが1枚でもあると役立たず。まあそれでも死んだり呪文を妨害しないだけましではあるが、今回のドラフトで使いにくい生物御三家の3位には入る。

*4 Abyssal Gatekeeper WL-C B Summon Gatekeeper 1/1
If Abyssal Gatekeeper is put into any graveyard from play, each player chooses and buries a creature he or she controls.
 私の大好きな生物。死ぬと、敵味方共に1匹生物を墓場送りにしないといけない。状況によっては極めて有効な除去であり、これを防げる生物はいない。ただ自分で好きな時にGatekeeperを殺せる環境が必要なので、ドラフトとなると意外に使いにくい。

*5 Blood Vassal US-C 2B Summon Thrull 2/2
Sacrifice Blood Vassal: Add BB to your mana pool. Play this ability as a mana source.
 別に大して目立たない生物。サクって黒黒が出てくるだけ。単に1/1と2/2で4/3をブロックされて殺され、もう1匹4/4もGatekeeperの能力により殺されたということを言いたかっただけである。

*6 Parasitic Bond US-U 3B Enchant Creature
During the upkeep of enchanted creature's controller, Parasitic Bond deals 2 damage to that player.
 コストは高いが、Enchant Creatureとしては継続2ダメージを確実に与える、なかなか優れたカード。膠着戦において大きな効果を発揮する。


7/29(土)
 残されたひと試合、対JIU戦を行う。

対戦成績:
対JIU戦 白緑
第1戦 ×
 いきなり初手から土地1枚に重いカードばかりという状態なのでマリガンを宣言。6枚からのゲームスタートはやはり辛い。
 メインのダメージ源はGorrila Berseker。基本的にブロックされないので、すいすいとダメージを与え続ける。が、後が続かないので殴り合いになり、また数で圧倒されるこのデッキの負けパターンに入る。最後になって、残りライフ1だがこれで敵を1体除去できれば勝利、というところでまた引けない。マナバーン自決。ガッデム

第2戦 ×
 重いデッキなので、序盤をいかに凌ぐかがポイントとなる。今回はChoked Vineで敵のWild Dog(*1)を倒していい気になっていたら、次のターンにDuskrider Falcon(*2)を出される。1ターン待っても別に困らない状況なのに、立派なプレイミスである。そしてこちらの生物はReclusive Wight(*3)だけ。しばらくFalconと睨み合ったまま、土地だけ置いて行くターンが続く。なぜJIUまで付き合ってくれるのかが不思議だったが、それはEmpyric Armor(*4)を付けたいが為であったらしい。除去のBefoulは手にあるが、何しろSorceryなので1度殴られる必要がある。しかしこれが付いたのがProtection BlackのあるFalconだったらお手上げだが、幸いにして敵のプレイミスにより別の飛行生物に。何とか除去して、貯めたマナで一気にElvish Bardを始めとする重生物軍団を形成。
 Bardを囮にして全員攻撃という渾身の一撃により、ギリギリの勝利が転がり込む…はずだった。しかし勝利はLull(*5)という名のカード1枚により手から滑り落ちて行った。ガッデム

第3回 居城杯  優勝 Tuft
 ColorTuftJIUomasuTomatoTotal
Tuft黒青赤
2-1
×
1-2

2-0
○○×
5-3
JIU白緑×
1-2

2-1

2-0
○○×
5-3
omasu青赤
2-1
×
1-2

2-1
○○×
5-4
Tomato黒緑×
0-2
×
0-2
×
1-2
×××
1-6

註:カード詳細
*1 Wild Dog US-C G Summon Hounds 2/1
During your upkeep, if a player has more life than any other, that player gains control of Wild Dogs. Cycling 2.
 緑の速攻生物。初手から2/1が出る上に、ひょっとして後でライフで逆転して貰えるかもしれないという思い込みを相手に与えて除去の手を鈍らせる効果があり、意外に侮れない。ただ後半に出しても意味は薄い。

*2 Duskrider Falcon WL-C W Summon Falcon 1/1
Flying, protection from black.
 Protecition黒がついてるFlying1/1。黒使いには非常に厄介な相手である。

*3 Reclusive Wight US-U 3B Summon Minion 4/4
During your upkeep, if you control any other nonland permanents, sacrifice Reclusive Wight.
 黒の4/4。大型で死ににくい生物のはずが、土地以外に何か出した途端に死ぬので、結局単体で活動するしかない。今回のドラフト使いにくい生物御三家の2位。Steel Golemに比べれば、死んでくれるだけマシとも言える。

*4 Empyric Armor WL-C 1WW Enchant Creature
Enchanted creature gets +X/+X, where X is equal to the number of cards in your hand.
 白の反則Enchant Creature。手札分だけ+X/+Xは明らかにゲームバランスを崩すので、ドラフトにおいてWLが使われない主因となっている。

*5 Lull US-C 1G Instant
Creatures deal no combat damage this turn. Cycling 2.
 基本セットに入っているFogのCycling付きバージョン。戦闘ダメージを一切無効にするので、生物戦闘がメインになるドラフトでは、使いどころによっては絶大な戦略的効果を有する。今回は最後の最後にしてやられることになる。ガッデム。




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