ぽえ子日記 2000年1〜5月分
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1月
前の派遣先を辞めて、年末はゆっくり休んでいたのだが、年が明けて再度働こうという意思を見せるぽえ子。面接に行く先行く先落ちまくる。夫という立場上、一応慰めなくてはいけないのだが、性格的に事務処理に向いていないことを面接だけで見抜く面接官の眼力の鋭さには感服せざるを得ない。
2月中旬
派遣会社を掛け持ちするなどの下手な鉄砲作戦が功を奏し、ついにぽえ子の派遣先が決まる。前の職場は大して忙しくなかったというが、今度はどうであろうか。ぽえ子が事務処理を滞らせるという夢を何度も見たことを、本人には恐ろしくて告げられないでいたりする。
4月下旬
朝食で、納豆用のネギのみじん切りを取ろうとしたら、3センチ角ほどのでかいネギがほとんどであった。こんなに大雑把なみじん切りは、私の人生において見かけたことがない。
5月 2日 火曜日
数日前から諸自覚症状から自称妊婦を名乗るぽえ子を、とりあえず近所で一番大きな病院に連れて行く。が、午後からは初診お断りらしく、やむを得ず近所の産婦人科を探す旅に出かける。
私 「あったよ」
ぽえ子「やだこんな変な紫色の壁したとこなんて」
私 「じゃあここは?」
ぽえ子「なんか潰れてそうでやだ」
かくも様々なわがままを受け入れてひたすら探すが、そんなにあちこちにある業種でもないので、結局紫色の壁に落ち着く。30分後には自称が取れて、ついにご懐妊が判明する。これに勢いを得て、
「もっといたわりなさいよね」
という言葉を連呼する。関連書籍も購入して、また例によってすっかりポエムな世界に入り浸る。今後更にこの女が手強くなると思うと、今一つ手放しで喜べなかったりする。
5月14日 日曜日
ぽえ子に掃除を命じられる。
ぽえ子「ごみパックなくなったから買ってきて」
私 「はい」
ぽえ子「とりあえずそっちの部屋だけ掃除して」
私 「はい」
ぽえ子「やっぱりこっちもついでにやって」
要求がエスカレートするので抗議すると、
「しょうがないじゃん、だるいんだもん」
こう言われると返す言葉がない。誰よ、この女にこんな素晴らしい言い訳を与えた奴。
5月14日 日曜日 その2
ぽえ子とネコのエサを買いに出かける。ネコのことになるとだるくても出かけることに関しては、本人は気付いていないらしい。
ネコは獣医に相談したところ、カロリー不足らしいので、普段やってるフレーク状のエサの他に、缶詰タイプものを選定することに。とりあえず缶を片っ端からチェックして、最もカロリーが高いものを買おうとすると、
ぽえ子「でもこっちの方がエビとか入ってておいしそうだよ」
誰が食うのか分かってるのだろうかこの女。
5月16日 火曜日
会社を休んでのんびり一日を過ごすと、夕方に駅まで迎えに行かされる。合流すると食事を作るのが面倒だと主張され、焼肉を食べる。食い切れないほど腹一杯で帰宅したのだが、いきなり
ぽえ子「ミカン缶開けて持ってきて」
と信じられない命令が出る。第一にこの女は既に腹が一杯なはずで、第二にミカン缶は私が個人的に買っておいた秘蔵アイテムであって、第三になぜそれを私が自ら開けて差し出す必要があるのかという、極めて理不尽な話である。そこのところを論理的に説き、温和に話し合いで解決を図るが、
「しょうがないじゃん、急に食べたくなったんだもん」
という返答により説得失敗。せめてもの抵抗は第三の点だけは頑として譲らないことくらい。つまり、この女は自らミカン缶を開けて器によそってうまそうに食い尽くしたのである。
5月20日 土曜日
休日出勤から帰ってくると、食事を作るのが億劫だから外食すると言われる。疲れたのでやだと抵抗するが、結局はホカ弁を私が買ってくることになる。
5月20日 土曜日 その2
食後にまたミカン缶を要求される。また説得を試みるが、また前回と似たような結果となる。危うく半分食わせて貰えたことに感謝するところであった。
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