ぽえ子日記 2001年11月分




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10月上旬

 一年以上の沈黙を破ってまた再開。

 我が家の家事分担は、基本は専業主婦であるぽえ子がほとんどやるのだが、中には私の担当になってるものがある。ぽえ子が言うところの「係」である。当然それを私が辞退しても、
ぽえ子「いや係の仕事を邪魔しちゃいけないから」
 という理屈によりそれは許されないらしい。

ところが休日になると、普段私がやらないものを押し付けられることがままある。

私  「いや係の仕事を邪魔しちゃいけないから」
ぽえ子「大丈夫、あたしは誰の係でもないものをボランティアでやってあげてるだけだから」

 こういうけったいな理屈を一体どこから持ってくるのであろうか。


10月下旬

 ぽえ子は固有名詞をかなり忘れてきているので、質問しても答えの返って来ることはほとんどない。私は有線とかで流れる洋楽のタイトルやアーティストを思い出せなくて聞きたいことがよくあるのだが、ぽえ子に聞いても回答はボーカルの男女によって2パターンしかなく、「それはビートルズの曲だよ」「それはカーペンターズの曲だよ」のどちらかに決まっている。

 前科として、自信たっぷりに「ビートルズのなんかだね」と言われた曲は、後で調べたらビージーズの「小さな恋のメロディ」だった。

 それでも一応聞いてみたくて、鼻歌で再現してどんな曲かまでは分かってもらうことに成功したが、回答はやはり「それはカーペンターズのなんかだよ」だった。少しは頭使わないとボケるぞぽえ子。


11月3日 土曜日

 秘密裏に進めていた「くそばばあ島プロジェクト」を執筆中に、思いきり背後から見られる。しこたま殴られる。


11月中旬

 ぽえ子は爪水虫である。夏頃に病院のポスターを見て判明したことであるが、内服薬で治るというところまで読んだにも関わらず、一向に直そうという気を起こさない。かわいい娘に伝染されてはたまらんので、近々隔離しようかと思っている。


11月14日 水曜日

 仕事を終えて帰宅する旨を伝えるために電話したところ、いきなり「グラチャン見てる」と言われる。ははあん、今晩はグラタンか。我が家にはオーブンレンジがないため、グラタンを焼く際にはオーブントースターで地味に焼くしかなく、それを見守ってるのであろう。

 そう思って会話してたら、バレーボールのグランドチャンピオンの略だった。ぽえ子はヤクルトの日本一を見て「なんで?こないだ優勝してたじゃん」とかのたまうほどのスポーツ音痴なのに。

 ちなみに今晩のおかずを聞いたら豚汁だった。


11月17日 土曜日

 ぽえ子は突然カニを食べたくなったとかで、その辺の普通のパックカニを買ってくるが、ぱさぱさしてまずいので、やはりカニは北海道に限るという話をしたら、あろうことか

ぽえ子「えーあたし北海道のカニなんて食べたことないよ、いいなー」

 とか言い出す。忘れもしない、初めてこの女を連れて北海道の実家に帰るとき、「カニが食べたいと言え」と命じられて、親に用意して貰ったときのことを、ぽえ子の方はすっかり忘却の彼方に追いやったらしい。一体何が記憶に残ってるのか、リストアップして貰いたいものである。


11月21日 水曜日

 ぽえ子が、猫のちびが臭いと言い出す。元はと言えば自分で拾った野良猫なのに、扱いが悪いったらありゃしない。悪いことをすれば当然怒るし、甘えてきても蹴飛ばして寄るなと言う。夏頃にちびが家出して数ヶ月戻って来なかったのは、毛を思いきりむしり出す娘に対する恐怖心もあろうが、恐らくこの居心地の悪さによるところが大きかったのであろう。

 いなくなると急にかわいく思えるらしく、
「毎年この日はちびの誕生日としてお祝いする」
とかまたポエムな世界に入り込む。

 で戻ってくるとこの仕打ち。どこかで似たような話を聞いたなと記憶を巡らせていたら、あったあった。「舌きりすずめ」。そういや大きいつづら好きそうだし。


11月24日 土曜日

 夕食時に娘の食事をついでに与えつつ、よくありそうな平凡な会話が始まる。
ぽえ子「もうずいぶん背が高くなってきたね」
私  「つかまり立ちもするようになったしな」
ぽえ子「なんかで読んだけど、この時期になると布のコレって危ないんだって」

 この辺から名詞が出なくなってきて、風向きが怪しくなってくる。
指を差した先や、話の展開から言ってテーブルクロスを引っ張られると危険という話をしているのだと想像される。

私  「ああテーブルクロスね」
ぽえ子「そうそう。でもうちのは紙だから大丈夫だね」

 …違う、違うぞ。布とか紙とか、そういう問題じゃないんだ。君の思考は何かが違うぞぽえ子。


11月25日 日曜日

 風邪でまだ咳が出ている状態だったが、昨日の夕食のメニューはマーボー春雨とエビチリだったおかげで、朝起きたら声変わりしてた。変わり果てた声で苦情を申し立てると、

ぽえ子「まあ気にしない。アラ料理だと思って」

 それは漁師独特の魚の骨や頭を煮込んだ料理。君が言いたいのは多分荒療治だろう。


11月28日 水曜日

 夕食後、お茶を入れるのでプーアル茶と日本茶のどっちがいいか聞かれる。気分のままにプーアル茶と答えると、

ぽえ子「ふーん。でも日本茶がいいな」

じゃあ訊くなよ。


11月下旬

 たまたま抜いた鼻毛がすさまじく長かったので、ぽえ子に自慢するために見せる。

ぽえ子「うわ長ーい。なにこれ。普通人間の毛ってある程度以上に伸びないようになってるんだよ。こんなに伸びるなんてその機能が壊れてるよ。病気だ病気。うわー。」

 予想以上の反応があったのは嬉しいが、すごく腹が立つのはなぜ。




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